寺泊名物の「魚のアメ横」はもう何度も訪れているので、そこはさらっと流して早めにチェックイン。
車を停めると「ホー ホケキョッ」との声が響き渡った。
ロビーはこんなかんじ。悪くはないが、ちょっと保養所っぽいかな。
特別室の「のとか」「桜まち」「桃かをる」はとても雰囲気がいいが、もともとはアットホームなお宿なのだ
館内にはスリッパはなく素足で歩けて、これがとっても気持ちいい。
部屋に案内されると、傾きかけた春の光が広縁のところに陽だまりをつくっていた。
今回は4年前に新たにできた「桃かをる」のお部屋。ふたりでの宿泊に充分すぎる広さで、お気に入りの「のどか」より二まわりくらいのゆったり感。さてどんな滞在となるかな。
窓の外にはちょうど八重桜が咲いている。
桜茶と笹だんごを持ってきてくれた。
野鳥の声をききながら桜茶を頂いていると、まどを「コンコン」とたたく客あり。なんて人懐っこいんだ!
浴衣はオーソドックスなものに加えて女性のみおしゃれ浴衣も用意されているようだ。
お風呂へ向かう。
風呂の棟だけはレトロと言うか古めかしさを感じる。そして「あ~、戻ってきた!」と、この温泉マニアが”アブラ臭”として珍重する鉱物臭が脱衣所からもれている。
こちらは強食塩泉というだけあってかなりしょっぱい。ピリピリする感触。サウナのような蒸し蒸しとむせるよな入浴感。湯温は低いわりに体はあったまっていく。
お湯自体は黒っぽい褐色で湯の花も黒っぽい。これがお風呂の縁で酸化して赤くなるようだ。
分析表を見ると蒸発残留物がかなり多い印象。
こちらは炭酸水素塩泉の冷泉。
風呂場ではあまり感じないが、宿の敷地では多少硫黄の匂いのする場所がある。こっちは強食塩泉に比べて温度は高め。キリッとした入浴感。14℃の冷泉を加温しているそうだ。
いままでてっきりこのお風呂は白いタイルだと思っていたが温泉成分の固着した隙間から青いものが見える。白いタイルだと思ってたのは固まった温泉成分だったのか?プチ鍾乳洞の様相。
「お肌、つべっつべになった」と連れが戻ってきた。”つべつべ”とは富山弁なのだが、「すべすべに書き換えていいか?」とたずねたら「いや、つべっつべだ」と譲らない。
夕食には個室の食事処に案内された。
お宿に確認したわけではないが、個室じゃないところで食べているグループもあったので、「のどか」「桜まち」「桃かをる」の客が個室に案内されるのだと思う。
梅酒の食前酒で料理がスタート。アジの南蛮。ヒラメのから揚げ、しゃきしゃきのわらびがうれしい。メゾピアノのような静かなスタート。
鯵の南蛮漬け。オリーブオイルで漬けのよう。
ワラビのやさしい味付けにこころ和む。
焼き魚はノドグロだ!!
芳醇な脂が口の中にジュワっと満ちてくる。でもぜんぜんしつこくない。身はフワッと綿のよう。
これは感動だ。
今回の宿泊は「刺身たっぷりプラン」というのを選んでいて、刺身がグレードアップされている。これはメバルかな?海藻、妻までシャキシャキできれいに食べつくした。
「プハ~っ」と聞こえた。連れが刺身のイカを生ビールで流し込んだ音らしい。
海鮮しゃぶしゃぶ。刺身で食べられるほどのイカ・タコをしゃぶしゃぶでいただくのだ。しゃきしゃきの野菜やワカメといっしょに掻き込むと美味なポン酢がほどよく絡み瑞々しさが口の中を満たす。
「ん~ん」と唸ってるので何事かと見ると、たこのしゃぶしゃぶを食べて瞑想中だった。
洋皿が出てきました。
蒸しアワビの肝ソース!コレ最高!。
なんという豊かなコク。思わずのけぞった。
炊き合わせ。イカ飯の本当の美味さに驚く。
完熟パイナップル。チョコレートケーキで残りのワインを飲み干した。
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