霧島はこの雄大な景色だけでもごちそうなのだ。
霧島温泉市場は霧島に到着するとまず立ち寄ってしまう憩いのスポット。そこには硫黄の匂いプンプンの足湯があり、
温泉の蒸気を使ったふかし饅頭があり、
温泉卵がある。
そこから歩いて行ける程のところに小洒落た建物が樹々に囲まれている。背後には温泉の煙が立ち上り霧島らしい景色だ。
打ち水された玄関を進む。
初めて訪れてたのがもう10年前のこと。それからもう何度か訪れている。ロビーの様子は当時となにも変わらない。
外から見るとわりと大きい施設に見えるがここに客室は9室のみの静かな宿。
早速温泉へ。男湯の露天風呂
男湯内湯。お湯がふんだんにあふれています
客室階の廊下。おしゃれ感はあんまりない。
一般客室。
窓の外を見ると湯けむりが幾筋もうもうと立ち上るのがみえた。この山のあちこちに力強い温泉が湧いているに違いない。いかにも霧島らしい風景にうれしくなった。
日が落ち、霧島温泉に静かな時間が訪れるとやがて料理の時間
食事処は個室になっている。掘りごたつタイプとテーブル・椅子タイプの2タイプある。今回は掘りごたつ式。
半個室なので他のお客さんの声も程よく聞こえてくるので、個室のダイニングレストランのような雰囲気。シーンとしていると気まづいのでこのくらいの賑わいが気楽でいい。
これがスタート時のセット。
前菜は鮗(コノシロ:コハダの成長したものらしい)の酢味噌がけ、牛乳羊乳、柿の白和え。
お造りは本鮪、真鯛、勘八
青魚が苦手な僕が美味しいと感じたのは味噌ベースのマヨネーズのせいか。
あんずの食前酒で料理がスタート
お造りは本鮪、真鯛、勘八
1万円台で高級めな刺身を厚切りで食べさせてくれるうれしさ。
グルメプラン『黒毛和牛ステーキ&黒豚を食す!』を選ぶと食せる、黒毛和牛のサーロインステーキ
塩とワサビでいただきたくなるのは旨い肉の証拠
と、言いたかったのだが、このたれが薄味でありながら上品な風味でいい具合に肉に寄り添うのをしり、途中からたれに切り替えた。
茶碗蒸しにはさつま揚げが入っていて、これが茶碗蒸しにまろやかさを与える。さすが鹿児島。
器も凝っていて、手に取って楽しみたいものばかり。
トマトの釜蔵というオリジナル料理。湯剥きしたトマトにホワイトソースがかかっていますが、でもそれだけではない。
旅館の料理は味だけでなく見た目も味のうち。湯剥きしたトマトにホワイトソースで、中はナポリタンというギャップ。欲を言えば中も「おぉっ!」と思わせる味わいだったらよかったな。
じゃが芋のお饅頭
グルメプラン『黒毛和牛ステーキ&黒豚を食す!』で食せる黒豚のしゃぶしゃぶ。
そばつゆ仕立ての汁をよく含ませて口に放り込むと無上の幸せ!肉の出汁が出たところで締めに野菜とうどんを入れる。
鹿児島といえば黒豚ですね!めちゃめちゃうまかた
この米那須の田楽、ぱっと見ただけではわからないが味がよく沁みるように竹串でたくさん穴をあけたり、隠し包丁がされていたり、味噌にからしの隠し味などがあるとても手の込んだものなのだそうだ。
秋鮭のお茶漬け
黒伊佐錦のアイスと霧島茶プリン
この焼酎アイスめっちゃうまい
就寝前にもう一度風呂へ
こちらは連れが撮った女湯の露天風呂
おやすみなさい
朝一番は貸切風呂でスタート。
家族湯(貸切風呂)はフロントにひと声かけて、空いていれば無料で利用できる。
信楽焼の露天風呂とこの内湯がセットで一つの貸切風呂となっている。
朝食も夕食と同じ和風の個室ダイニングにて。
4ビートのジャズが流れる。
西京焼きはヒラマサの若魚でヒラスというのだそうだ。ごりゃご飯がすすむ。
鶏だんご鍋
さて温泉巡りにでかけよう
霧島温泉、秘湯めぐりと美味しい旅
鹿児島って、たのしい。
景色が雄大 で、温泉がやまほどあって、温暖で、空気がいい。
丸尾の温泉市場あたりに差し掛かると硫黄の匂いがふわり。
そこから歩いて行けるほどのところ。樹々にとり囲まれた瀟洒な4階建てがおやど花みずきだ。
外から見ると大きな宿のように見えるが、実は9室という僕好みな客室数。
今日は平日だというのに満室らしい。人気の秘訣はやはりここの料理なのだろう。
ぼくはここにもう5回くらい泊まりに来ている。日中は秘湯をめぐりして、夕食は旨い飯を食う。
団体のいる大旅館ではなく静かな落ち着いた雰囲気で、しかもわりと手ごろな料金でとなると、花みずきに行きつく。
今回は一般客室。富山から鹿児島へ来るとなると3泊くらいするので、削るところは削る必要があるだが、もし一泊の旅なら間違いなく温泉付きのお部屋を選ぶだろう。そちらのほうが部屋の設えも魅力的で、料金もそれほど高くない。前回は露天付きの椿の間に泊まっているので、そのレポートもご参照ください。
向かいの半個室から明るい笑い声が聞こえてくる。
あっ、女将さんだな。
ジャズが流れる夕食の食事処。大人の雰囲気ではあるが、女将さんが顔を出したところは少し華やいだ雰囲気が生まれる。そして穏やかな若旦那は料理についていろいろ説明してくれる。料理長は既製品はほとんど使わない、手作りが身上の人であること。米茄子の田楽は、ぱっと見ただけではわからないが味がよく沁みるように竹串でたくさん穴をあけたり、隠し包丁がされていたり、味噌にからしの隠し味があることなど。そんな話を聞くと、料理が一層楽しくなってくる。
よほど気に入ったようで、別の個室からは「明日の予約できますか?」と尋ねる声が聞こえた。
泉質についてだけど、すぐそばの霧島温泉市場の足湯は硫黄プンプンのお湯。すぐ隣の「カジロが湯」は自家源泉で単純硫黄泉らしい。花みずきはそのあいだに挟まれたロケーションになるが、泉質は塩化物泉で、こんなに近いのいろいろなタイプの温泉があるもんだな。入浴中はマイルドな肌触りでわりと穏やかな湯に感じた。透明な湯にほこり溜まりのような大きな湯の花がもうもうと漂ている。すくいあげて指でつぶしてみると少しトロみあるもので、里山十帖の湯の花を思い出した。
さて、チェックアウトしたら温泉めぐりに出発しよう。
今回目指すは硫黄谷温泉と湯之谷温泉。
霧島温泉は、濃い。
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