時の宿すみれ 宿泊レポ (1/2)

雪の舞う針葉樹の並木のアプローチの先に車を止めると、すぐに黒っぽいコート姿の男性スタッフが迎えにでてくれた。荷造りしてなかった僕らは軽くあたふた。初めて訪れる宿、そのラグジュアリー感に軽く気圧されているのだ。

針葉樹の眺めのラウンジに案内されて、抹茶とメレンゲの焼き菓子をいただいていると過敏になっていた神経がゆるんできた。館内の温かさがありがたい。

 

 

戸を開けた瞬間に、こころ沸き立った。
シックな館内から一転してお部屋はウォームな雰囲気でどことなく北欧っぽさを感じる(行ったことないけど)。上質なアロマが迎える。

予約していたのは「ひめ」という部屋。ヨーロピアンリゾート風というコンセプトで、この宿では中くらいのグレードになるのかな。
お茶のセットやティッシュなどは収納されていて、お部屋がすっきり

 

浴衣と作務衣が用意されていてどちらで館内を歩いてもいいとのこと。さらにバスタオルが2枚もありがたい。

 

まずは大浴場。一番乗りのようだ。
広くはないが貸切風呂もあるせいか、いつ行っても貸切状態だった。

この湯とてもまろやかな感触が良かった。宿に到着の前は福島の高湯温泉で元気のいい白濁硫黄泉に立ち寄り湯をしてきたところなので、一日の締めくくりにはこんな穏やかな湯がいい。

 

パブリックスペースはラグジュアリーな大人の雰囲気。

 

そのまま貸切風呂へはしご。

貸切風呂は2か所あり、空いていれば内鍵で自由に入浴できる。浴衣を脱ぐときはちょっと寒いが、お湯に浸かるとじわじわ~といい気持ちいい

 

風呂からもどり、夕食までの時間を部屋でのんびり過ごす。
テレビは無く、この静かな空間にふたりが満ちていく。
連れは雑誌をパラパラ。僕は上質なベッドの寝心地を確かめているうちね寝てしまったらしい。

シモンズ製のベッドはもちろんのこと、掛布団の肌心地が秀逸

 

暖炉の灯りは蒼い雪景色まで温かいものに変えてしまう。

 

こちらワインセラーは自由に入ることができ、飲みたいワインなどがあったら、そのカードをスタッフに渡すと食事の時やラウンジなどに用意してくれる。

「夕食に極上米沢牛がでるからって、きっとウン万円もする海外のワインが並んでんだよな」

なんて思いながら入ってみたら、とても良心的な価格のラインナップだった。
しかも地元置賜地方のワイン、日本酒、焼酎が中心で、地元愛がうれしかった。

 

夕食は18:00~19:00の間好きな時間に食事処にくれば始められる。この時間に縛られない感じが好きだ。しかし早く料理を食べたくて18:00きっかりに食事処に来てしまった。

食欲にはがんじがらめな僕ら。

 

先着の二組がカウンター、後着の二組は個室の食事処に案内されていたので、特に希望を出してない場合は先着順でカウンターに通されるのかな?

人気はこのカウンター席だそうだ。シェフが米沢牛の大きな塊から焼くのを目の前で見れいい経験だったが人見知りな僕らには個室のほうが気楽でよかったかな。

 

カウンターの目の前の冷蔵庫には、出番をまつ米沢牛がドーン!!

 

挽肉の寒中野菜巻きテリーヌとほっきのソテーすみれのコンソメジュレとともに

前菜という位置づけなのかな?やはり巷の懐石料理とは一味違うなという印象だ。
テリーヌとジュレのマッチングではやくも上機嫌。エリンギと一緒に北寄貝がソテーされてたのは意外性があってよかった。お肉感を漂わせながらきれいな盛り付けと繊細な味が、食欲の扉をノックしてくる。

 

テールときく芋とポワローのクリームスープ

小さな器にコクを濃縮したようなスープに二人ともため息。ポワローとは西洋ネギのことらしい。

 

内ももと千本のコールビーフ

湯引きされてベージュ色になったのが千本というのは希少なすじ肉らしい。これがなかなかの珍味で気に入った。

 

山形県南陽市の大浦ぶどう酒のバレルエージング

グラスで注文したワイン。バレルエージングとは樽熟成という意味だそうで、日本古来のブドウ品種をフレンチオーク樽で熟成したのだという。

 

まくらと遠山かぶのシチュー仕立 温野菜とともに

テーブルに運ばれたとたん豊かな香りが鼻に届いた。具材はまくらと呼ばれる繊維質で口の中でほろほろとほどけ、シチューと一体化していった。
米沢牛のサーロインステーキは別格として、連れはこれに一番こころときめいたらしい。

 

お口直しのグラニテ 青野菜とりんご

 

大とろポワレのにぎりとしぐれ煮のり巻からすみ添

大トロのポワレは一頭からほんのわずかしかとれない「肩三角」という貴重な部位らしい。生肉に見えるが実はベリーレア。
贅沢にも一口で頬張った。肉は口の中で溶け、シャリと混ざりぼくらの心の中を搔き乱す。ボリュームのある肉なので飲み込むときに喉にぎゅっと圧着される。それが幸せな余韻となった。

他の人のブログ見ていたらにぎりは2貫だったのに、「あれっ、1巻?」早まってはいけない。のり巻きのほうにはしぐれ煮、そして底面にはほぐしたからすみがびっしり。
しぐれ煮お土産に買って帰った。
にぎりに2貫の件を連れにしゃべったら「知らなければよかった、リベンジするしかない」との貪欲ぶりだ

 

とも三角のすみれ漬

ぼく大絶賛だったのがこれ。
味噌と酒粕と秘伝のたれをブレンドしたペーストに5日間漬け込んでいるそうで、熟成された旨みがすばらしい。白いご飯が欲しくなった。

 

しきんぼと寒中キャベツ三杯酢和え

しきんぼとは外モモの一部だそうだ

 

ステーキ用の生わさびと塩3種

塩はピンクのがヒマラヤだったのはうっすら記憶してるけどあとの二つはなんだったかな?

 

 

 

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