長野 葛温泉 温宿かじか
お部屋 一般的なお部屋
建物が見えなくなり、野鳥たちがここを自分の住みかであることを主張し始める頃、3軒の宿がある温泉にたどり着いた。川かぜが気持ちいい。
「温宿かじか」は高瀬川沿いに一軒宿のように建っている。旅館と言うより欧州のゲストハウスのような洒落た佇まいだ。
気負わず、身の丈にあった宿をやりたいとの思いから客室数は6室。そのためか宿に佇む空気は柔らかい。
客室の出入りは最小限。11:00チェックアウトなので朝食の後、ひと風呂浴びてからごろ寝する人も多いので布団はそのままになります。構われないことでこちらも気を遣わずにいられるからありがたい。
高野槙のしっかりとした質感が愉しみとなる内湯。ふんだんに使われた木造のかけ湯場を見た時、この宿の木へのこだわりを見たような気がした。
ブナとカエデに囲まれた露天風呂では緑のシャワーの歓迎を受ける。浴槽の十和田石も肌に心地いい。
内湯と露天風呂では源泉が異なり2種類のお湯が楽しめる。特に、微かなイオウの香りがする露天風呂のお湯が気に入りました。湯上り後も体の内からぽかぽかと温かくなってきて、浴衣を着ていられないほど。女将さんの肌がつやつやときれいなのには、さすが天然温泉と関心。
川に面した食事どころ
あまり肩のこらない料理です。この料金帯なので、料理にもう一がんばりしてもらいたいものです。
温宿かじかについて話すときには、まずその周囲の自然について触れておかなければならない。黒部ダムの入口へ向かう道を走ると、さっきまで遠くの背景のように見えていた山々は、やがて立体的で巨大な造形物とわかるはっきりとした姿で立ちはだかり、その山のうちの一つが白いものを冠して主のように山々の奥から顔をのぞかせている。葛温泉はこの山々の一つに入ったところにある。 洒落た佇まいの宿の中は、山川画伯のこの周辺をスケッチした版画が飾られる。 宿の前身は今よりも規模の大きな旅館だったそうだ。斎藤茂吉もこの宿に泊まり、川原に熱い石があったと伝えている。大雨で宿が流されてしまったのがもう30年以上前の話。以来宿は再建されていなかった。その後、長年の思いだった家族で経営できる小さな宿を開業するに至った。 客室数が6室の所為か、川沿いのデッキやギャラリーなどの十分すぎるパブリックスペースのためか、ほっとする版画の絵の所為か、それとも家族の人柄だろうか、ここはのんびりと空気が柔らかい。[clear]
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