梅酒の食前酒で食事が始まりました。

夕食は半個室へ通された。テーブル・イスで長時間でも疲れない。目隠しがあって隣にもう一組が食事してる。静かなのはよいが静過ぎてこちらの話が隣に筒抜けのような気がしてちょっと気をつかった。

前菜はスモークサーモン寿司、鴨ロース、鰻の八幡焼など

空豆豆富。まずこの色彩にほっとこころ和み、空豆の風味とやさしい味わいが胃袋をやさしく整える。

名物は「取り回し鉢」といって、皿に盛られた郷土料理を取り分けてたべるのだ。夕食にはその取り回し鉢が2皿。「しおにいも」、「じゃないものなます」。しおにいもは小さなジャガイモを甘しょっぱく煮たもので、とても旨い。奥飛騨の「ひだ路」でたべた”ころいも”を思いだした。

このしおにいもはやはり好評のようで、友人が泊まった際に「つくり方を知りたい」と言ったらすぐにつくり方の紙を持ってきてくれたらしい。

ニジマスの昆布締め

海老真丈

テーブルに用意された炭火で焼くのは信州牛。
実は肉を見たときに「あれ?あんまり色よくないけど」と思ったけど、噛むと楽に裂けてその間から豊かな肉汁があふれてきてとても旨かった。これてもしかしてエージング肉なのか?

もうひとつは音曲がり竹の素焼き。これも旨かったな。ちょうど旬のよう。

野沢温泉ならやっぱり野沢菜!ぼくにはぴったりのアジだったが連れはもうちょっと古漬けっぽいほうが好みらしい。

丸茄子とアナゴの揚げ出し

稚鮎の天ぷら。頭からさくっと、おぉー旨い。ほろ苦さと香ばしさの競演

連れは

「チャンス到来」

とばかり、泡立つ金の液体に手を伸ばした。

アスパラご飯は抜群の塩加減。旬を迎えた甘いアスパラとあいまって、心地いい料理のしめくくりとなった。

この地域の郷土料理「根曲がり竹の汁」はなぜかサバの缶詰が一緒に煮られている。スタッフの分析によると昔はニシンが使われていたけど、安価で保存の利くサバ缶にとって代わられていったのではとのことだ。

寒天、葛餅、餡子のあんみつ。この餡子がとても美味しかった。

 

「野沢温泉たけのこまつり」というのをやっていたので出かけてみた。
このちほうではではタケノコと言うと根曲がり竹を指すらしい。よるの屋台ではそのたけのこ汁が売られていたり、射的をやっていたり。

まつりではなくても、夜の野沢をぶらぶらしてみるのも悪くなさそうだ。

おやすみなさい。

 

早朝目が覚めたので、風呂へ行った。先客がひとりいらっしゃったが、すぐに上がられたのでその後は貸切状態。この素晴らしい風呂を独占して至福の時間。

湯はほんのり硫黄の香り。そこに木の匂いがまざり、なつかしい後生掛温泉の匂いを感じた。キリット熱い湯だが、肌に馴染むような印象だったが、いつもお湯にうるさい連れにはあまりピンとこなかったようだ。

ちょっとした露天風呂もある。

住吉屋らしい、ほっとする朝食です。信州のりんごジュース(だよね?きっと。)で身体が目覚める。
取り回し鉢は3皿。ごぼうの煮物、ふき、そしてアスパラだ。ごぼうはけっこう太いのにやわらかく、しかもごぼう独特のえぐみがぜんんぜんない、上品な味だ。これに気をよくして、やっぱりごはんお代わりしてた。

 

 

 

村の23時間。

野沢温泉と言うのは、実はそれほど触手の動く温泉地ではなかった。
前回来たのが、かれこれ20年くらい前のスキーだ。それがいけなかった。学生時代の仲間たちと民宿にタコ部屋状態。畳が見えないほど敷き詰めた布団にスキーでへとへとになり倒れこんだ記憶しかない。周りに訊いてみると「野沢は昔スキーで行ったことある」という人ばっかり。それが大方の野沢温泉のイメージではないかな?

今回は連れが「野沢温泉行きたい。」とのたまった。
野沢菜が好きという、

大雑把な理由だ。

自分も、雑誌「自遊人」の記事、タビエルのれおんさんの宿泊レポ、そして野沢温泉のことで口コミ掲示板でもザワついてるし、なんだか野沢温泉に興味が湧いているところだったから、望むところだ。

 

12:00チェックインの威力

蟻の巣みたいに細い道が迷路が絡まる野沢温泉。
細い坂の上のほうにそれらしい木造3階建てが見えてきた。
住吉屋はなんと12:00からチェックインできる。「何かの記憶違いではないかな?」となんどもサイトを確認してしまった。
これが外湯めぐりにはかなり都合がいいことはすぐに想像がつくだろう。車は宿に停められるし、昼日向から浴衣に着替えて、13ある外湯めぐりができるのだ。貧乏性の我々には宿の滞在時間が長いだけで得した気分だ。

少しでも長く居てやろうと貧乏根性むき出しで向かったら、勢いがつきすぎて11:50くらいに着いた。部屋へ案内する女性について廊下を歩きながら、「感じのいい方だなぁ」とは連れも思っていたらしい。その静かなそよ風のような語り口、豊かな表情。丁寧なんだけどぜんぜん堅苦しくないのだ。こういうのに僕らはイチコロだ。

浴衣に着替えて早速外湯めぐりへ行こうと思ったら、先ほどの女性が玄関にいて、二言三言言葉を交わしてから

「あっ、それとお守りを・・・」

と言って奥へ下がった。

いったい何のお守りだろう?

と、ぽかーんとしている僕らの前に傘を2本持って戻ってきたが、「一本でいですね。」と、一本だけ手渡してくれた。空模様があやしかったための気遣いが粋だ、粋すぎる。

 

外湯巡りから戻ると15:00くらいだった。
普段ならチェックインしたばかりなの時間なのに、もうかなり野沢温泉を堪能した気分。
住吉屋は木造3階建て。躯体は100年くらい前のものらしい。木造らしく、やさしく歩いてあげる必要はあるが、なかなか上質感が漂っている。階段を登って3階の部屋へ。角部屋の2箇所の窓は網戸にしてあり、心地いい風が一方から入り火照ったからだを撫でてもう一方から抜けていく。TV好きな連れが、珍しくTVをつけない。嬉しい。

昼寝した。

あぁ、ここ気持ちの余裕は連泊に似てるではないか。

 

ステンドグラスの光揺れるレトロ風呂

高い天井のステンドグラスから神々しい光が差し込み、レトロなタイルの浴槽を染める。湯は熱めだが、外湯みたいに暴力的な熱さではなく、野沢に来て初めてゆっくり湯船に浸かることができた。もちろん源泉掛け流しで、源泉は90℃あるが、それを風で冷まして適温にしているらしい。
野沢温泉のお宿のほとんどはどこだったか忘れたが、そこから湯を引いているけど、住吉屋は自家源泉なのだそうだ。

湯はほんのり硫黄の香り。そこに木の匂いがまざり、なつかしい後生掛温泉の匂いを感じた。後生掛の匂いはけっこうキツイはずだが、なぜあそこが思い浮かんだかよくわからない。キリット熱い湯だが、肌に馴染むような印象だったが、いつもお湯にうるさい連れにはあまりピンとこなかったようだ。

 

そよ風みたいな、やさしさ。

20年間持ち続けた野沢温泉の印象はガラッと変った。
連れは「ここに住みたい」とまでいい始める始末だ(単純すぎる、笑)。なぜだろうと考えながら、ここで会ったスタッフのことを「そよ風のような語り口」と自分で言ったのを思い出した。丁寧なんだけど、堅苦しくない。そうか、それは料理にも言える。見た目にも味にもわりと上質でありながら、なんといっても「取り回し鉢」が信州らしく、野沢の地にちゃんと根を張ってるのが感じ取れる。

そうか、それが「村のホテル」ということなんやな。

ぼくの野沢温泉の印象を変えたのは住吉屋であり、その住吉屋の印象にはそよ風のようなやさしい女性スタッフの印象がわりと多めに含まれている。

 

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